──我々の最も誇りたいものは、我々の持っていないものだけである。
──幸福は苦痛を伴い、平和は倦怠を伴うとすれば──?
芥川龍之介「河童」より
我々が夢見る果てなき理想は、次元の壁を隔て無限に広がっている。だが、救いや希望とまでに成り得るものなどでは、決して無い。
──それがもしも、次元を越えた先の住人達に対しても言える事だとしたら?
誰よりも美少女をはべらす生活を送る主人公が、誰よりも孤独を愛し、
誰よりも平和の為に戦う熱血主人公が、誰よりも破壊と破滅を願い、
誰よりも他人を踏み躙り蹴落とし頂点を目指す主人公が、誰よりも敗北主義者だったとしたら?
フラグもイベントも無い我々の暗澹として自堕落な人生さえも、誰かの理想なのかもしれない。
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